帰ってきたWeb研に参加してきた
1月14日(木)お茶の水デジハリで行われた「帰ってきたWeb研 Vol.2」に参加してきました。
この日のお題は「今後のWebディレクターに求められる、ディレクション・シンキングメソッド」。講師は名村晋治さん。私の仕事の割合がますますディレクターに傾きつつあり、キャリアパスから考えてもデザイナーよりディレクターの方を志望しているので、一度「ディレクター脳」をちゃんと構築したいなぁと思ってたので、うってつけのセミナーでした。
Webディレクターを、どんな手段を使ってもプロジェクトを「完遂」する人、として、とかく混同しがちなWebプロデューサーとの違いをはっきりされていました(プロデューサーはプロジェクトを「成功」させる人)。そしてその「完遂」のために必要な能力を「プロジェクトファシリテーション」と位置づけ、ご本人の経験を交えながら各要素をブレークダウンして説明されていました。
判断と責任、覚悟
- ディレクターは「考え」「判断し」「決定する」責任と覚悟が必要。
- 自分でプロジェクトを回していく。そして完遂させる。
マインドセット>スキルセット
ここは印象的でした。とかく情報設計とかSEOとかテクニカルなキーワードに目がいきがちなのですが、企業とか部署とかが本当に求めている人材って、チームを率いて結果の出せる人なんだと思います。もちろんテクニカルも必要ですけどね。
チームをつくりあげていく能力=プロジェクトファシリテーション
- リーダーシップ、コラボレーション
- 現場の活性化、協調性
プロジェクトマネジメントは成果を計画的に出していくもの。ディレクターにはファシリテーションのほうが大事。
プロジェクトファシリテーションのための5つの要素
- ドキュメントによる可視化
- タイミングの切り分け(振り返りやMTGをするタイミング)
- 共通の命名(共通の認識を持つため、最初に名前を付ける)
- 問題を「事象」として扱う(失敗した人をせめない。プロジェクトとヒューマンマネジメントを一緒にしない)
- カイゼンの思考(良くなった効果は共有をする)
PJTの最初に共通の命名を決めておくことはすごく納得。チーム内の認識があいまいなまま言葉を使ってしまうと、知らないうちに予測の上で仕事が進んでしまって、あとあとになってからズレが露呈してコケることってよくありますよね。
ディレクターシンキングメソッド
- スキルの根本
- 経験を形に変えて、手持ちの武器を適切な時に適切な形に変えて使うことが大事
- 情報と経験を結びつけて、「使える形」にする
- 情報と経験を結びつけていくのは「習慣」
- 考えるということ、意図を思考して予測する習慣
- 考える習慣がもたらす未来
- 最適と思われるものを選択できる
- 「その案件のディレクション」のために必要なものを選べるかどうか
情報と経験を習慣で形にする、というのはとても納得できました。「ディレクターは誰よりも考えるのが仕事」とある方がおっしゃっているのを聞いたことがあります。世の中はインターネットのおかげで事象として分からないことってあんまりないと思います。情報設計とは?SEOとは?Googleで検索すればいくらでも出てくるのですが、その情報が目の前の案件にそのままフィットすることってほとんどありません。情報をうまく加工しないと使えないんですよね。そのプロセスが「経験」なんですけど、ただ流れるがままにそれをやっても「使える形」にはならない。常に考えることを意識することによって「使える形」になって、次の案件で役にたったりするのかもしれません。
私が常に心がけている、というか思考性の一部になっている、ある現象から共通部分を抽出してモデル化してほかのパターンに当てはめてみる、というプロセスもこれにあたるのかもしれません。